東京オリンピック前で地価上昇!〜今こそ正しい不動産投資を知ろう〜

アベノミクスの経済政策の目玉とされる「日本銀行による超低金利政策」の結果、国内の銀行にはお金がジャブジャブあふれています。

その資金を銀行は、不動産市場に流してきました。

東京オリンピックに好感して地価が上昇しているため、担保主義の銀行に好ましい状況なのです。

 

 

平成27年からの相続税改正による増税も要因となり、法人のみならず、会社員個人も年金不安などの理由で、かつてないほどの割合で不動産投資に取り組んでいます。

 

都心では相続税対策として、アパート建築を勧める税理士や不動産(サブリース)業者が躍起になっているのです。

しかしながら、国内全体の人口減少、増加し続ける空き家などの問題があるわけですから、供給過剰な貸家市場に新築の貸家を作り続けることは無謀です。特に地方でのアパートラッシュは不自然です。

もはや、銀行の融資姿勢の方針転換があれば、バブル崩壊、リーマンショックに似た、市場経済が一変するのは時間の問題でしょう。

 

今回のブログでは、国内の不動産投資業界を安全に持続発展させていくために、正しい不動産投資あるいは不動産賃貸事業についてお伝えしたいと思います。

 

目次

◆Ⅰ◆日本人の特徴・クセを知る

1)日本人の投資家としての資質は?

日本は欧米諸国に比べて極めて金融や不動産の知識が低いとされます。
学校や会社において、不動産・金融資産・税金について学ぶ場がないからです。

 

2)日本人の特性

①ブランド志向

日本人は、提供されるサービスに対する要求が非常に高い。内容•商品よりも見せ方や接客態度を重視すると思います。不動産投資の商品も、内容よりも商品提供する人間の信頼度や販売会社のブランドなどの見え方が大事なのではと感じます。
例えば、不動産投資という商品を大手有名企業の紳士な営業マンが親切に用意してくれると過信しています。つまり、テレビCMに出ているような大手の会社名やブランド名に弱く、有名ならば安心と考えてしまいます。

 

②みんなに乗り遅れたくない志向

前述の通り、日本には不動産投資に関する教育システムや仕組みがないのが現状です。知識がないことさえも知らないのです。不動産業者のセミナーでメリットだけ聞いて、希少性の高い商品は早い者勝ちといって煽られ、周りの人が申し込めば自分もと、申し込む傾向があると思います。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」といったノリで不動産投資はやってはダメです。

 

 

3)不動産や金融の専門家はいるのか?

法律は弁護士、税金は税理士とありますが、金融資産や不動産について、特に不動産投資に限って言えば、専門家らしい資格は見当たりません。

 

◆Ⅱ◆業界を知る

1) えせプロに騙されるな!

税理士は、お客様が大口の資産家で空き地があったりすると、『相続税を安くするためにアパートを建築しましょう。全部借入しましょう』と提案します。相続税対策の王道です。

 

 

でも、気を付けてください!

 

「相続税対策の成功」が「不動産賃貸業の成功」ではないのです。
相続税対策は、あくまで相続税の対象となる資産の評価を税法上のテクニックで下げるだけの話です。

『そのアパートの建築費が妥当か?』『その家賃水準は妥当か?』

『空室リスクは検討したか?』『純賃料と借入の返済のバランスは妥当か?』『キャッシュフローは安定的に確保できるか?』といった検証が必要です。

 

節税するにしても、「アパート」事業は不動産賃貸業という覚悟を持たなければダメです。自分でアパート経営に責任を持つべきであり、自信がないのなら信頼できる管理会社などパートナーが確保できている場合のみして頂きたい。稼働率の悪いアパートはお荷物であって子孫に負の遺産を相続することになりかねない危険性をはらんでいるのです。

この場合、税理士に対して反論するのは並大抵ではできないと思います。嫌われては困りますから。しかし、ナメられても困るのです。

 

このような提案があった場合、是非、私のような専門家にセカンドオピニオンとして相談して頂きたいと思います。

 

2) 焦って買うのは禁物!プロ相手のやり取りに気を付けろ!

不動産業者はプロであり、不動産投資の新鮮な情報を持っています。そして、超優良物件は、資金力があれば不動産業者が買ってしまいます。

その次に、購買力の強い属性の良い顧客に紹介され、最後に一般会社員に紹介されるわけです。並みの物件が市場に出て、それに目線が慣れるので、大半の会社員は「今買えるのはこういうものか。」と理解します。
一般の会社員は、競争相手も多くなかなか買えないので、不動産投資の事業性や収益性•リスクよりも『買えるかどうか至上主義』に変化していきます。

 

でも待ってください!

 

『買うべき物件』とはキャッシュフローが多く、手残りが多いもの。市場価値があり、空室や賃料の下落リスクなどが低いものです。

『買ってはいけない物件』とは、その逆です。
買えちゃった物件で失敗する人も多く見かけます。

 

こんな例です。
『ローン条項付き』(ローン審査が通れば購入する)の買付け(購入意思を表示した書面)を入れて、ローンを審査する。

 

➡物件が買えるかどうかは、融資の審査次第ということになる。

➡不動産仲介業者の指導で「銀行はここしかありません」と、銀行を指定される。

➡どんな厳しい金利や返済条件でもローンが必要金額出たならば、買わねばならない!

 融資が出て買えるのだが、ローンの条件が悪く、毎月のキャッシュフローがきつく、やめたい。しかし、ローン審査が通ったあとなので、違約金なしに解約できない。

つまり、買った後のローン返済がきつく、大きなツケを支払うことになる。

 

 

こんなことって信じられますか?

 

実際にある話です。
買えないからと言って焦りは禁物です。無理して買わなくていいのです。

 

3) 銀行の考え方を知る

銀行は、経済活動の発展のために企業の事業に対して融資をするのですが、それには経営理念としての原則があります。『公共性』『健全性』『収益性』『成長性』『流動性』の銀行理念5原則です。

具体的には、『公共性』とは、事業の資金使途が、社会にとって有益なのかという基準です。『健全性』とは、収益性と返済能力が健全かという基準。『収益性』とは銀行の金利収益は確保されているかという基準。『成長性』とはその事業が業界内で発展する強みなどは、というマーケット分析の基準、『流動性』とは、その事業や担保が換金しやすいかどうか、という基準です。

 

不動産投資においてみれば、次の通りです。

『公共性』については、住居の供給という意義のある事業であることが大事であり、「個人的な投機」であっては許されないのです。『健全性』とは、純賃料とローン返済の比率が安全性です。50%以内を目指し、80%超は危険です。『収益性』とは、貸出金利なので、事業リスクに応じた金利を求められるわけです。『成長性』については、対象不動産の立地条件や、構造やデザインなど、競合他社や業界内での強みがあるのか、という基準。『流動性』とは、担保としての対象不動産が換金処分してお金になりやすいかどうかという基準です。

 

 

◆Ⅲ◆不動産を知る

1)日本の不動産は魅力的?

日本の不動産は、法律上、外国人でも自由に購入が許されます。これは、アジアにおいて、少ない部類に属します。また、世界の主要都市における不動産市場を見ると、『香港のマンション価格は東京の2倍』という日経記事も出ていたくらいで、東京の不動産は相対的に安いとされています。つまり世界が欲しがる不動産として魅力的なのです。

 

 

2)不動産投資の持つ3つの側面

不動産投資には、「相続対策」「金融商品」「不動産賃貸業」としての側面があります。
しかし、「不動産賃貸事業」であると認識し、覚悟している人だけが事業に成功します。

理由は、次の通りです。
不動産投資は結局のところ、不動産賃貸業であり、人の生命の安全や人生の場を提供する事業です。そして、管理会社に丸なげしていては、入居者や建物に何が起きているのか理解できません。管理会社にナメられて、ずさんな管理をされるリスクがあるのです。いい業者に当たるかどうかは、何の保証もない。
これは、高金利の税金をテクニック的に減らす「相続対策」でも、一定の配当を約束された「金融商品」でもないのです。
つまり、「不動産賃貸」という事業であると覚悟すべきなのです。

 

 

◆Ⅳ◆不動産投資の唯一の指標を知る

1)不動産投資の指標は「表面利回り」ではなく、「キャッシュフロー」である

不動産投資の成否を判断するのに『キャッシュフロー』が最大の指標です。収益不動産において、家賃収入から経営上の費用を差し引いて純賃料が収入金額として決まる。物件の耐用年数や個人の属性によってローンの返済額が支出金額として決まる。この純賃料とローン返済額の差額が、不動産投資の指標『キャッシュフロー』です。

 

2)投資不動産の(4×2=8)の区別けについて

投資不動産は、わかりやすくいうと以下の(4×2=種類)8つの種類があります。
  ① 築年数 (新築  :中古)

  ②持ち分 (区分所有(1室):一棟)

  ③エリア (都心 : 地方)

  ④構造  (木造 : RC(鉄筋コンクリート))

 

どれが優れるのかというのは一概に言えませんが、最終的には『キャシュフロー』に反映されるのです。どういうことかというと、次の通りです。

 

① 価格は中古のほうが安い(〇)が、ローンの組める期間はが短くなるの(×)

    最終的キャッシュフローの判定は何とも言えない。

 

② 価格が区分所有が小さいので、フルローンで買いやすい(〇)が、

    キャッシュフローが薄くなってしまう(×)。

    一棟は自己資金がなければ買えない(△)。

 

③ 地方の賃料は安い(×)が価格が安いので買いやすい(〇)、

    都心は賃料も高く(〇)価格も高い(×)が、市場性が高く、担保価値が高い(〇)。

    キャッシュフローは、地方は都心より収入少ないが、ローン負担も都心より軽くなる。

 

④ 建築単価が木造がRCより安いので、ローン返済額が少なくて済むが、

    耐用年数がRCより短く、ローン期間も短くなる。

    このため、ローン返済は、RCのほうが期間が長い分軽くなることになる。

 

3)不動産投資の唯一の指標『キャッシュフロー』とは?

国内不動産投資市場において、キャッシュフローの概念なども厳密にいうとまちまちで統一されていません。不動産鑑定士の私もDCF法など、専門的な手法を知っていますが、より分かりやすい指標を使ってご理解いただけるほうが得策と考えます。以下の指標が最もわかりやすいと思います。

【賃料】実際の賃料
【経費】固定資産税、都市計画税、修繕費、管理費、共用部の水光熱費、火災保険など。

    減価償却費はキャッシュアウトを伴わない費用なので、無視してOK。
【純賃料】賃料から経費を差し引いたもの。

               ローン金利は元利均等だと把握しにくいので省略。

 

(年間純賃料)÷(年間のローン元利返済額)で50%以内が妥当。
目線として(年間ローン返済額)が、金利2%として想定し、(年間純賃料)の50%位以内に収まっていることが必要です。仮に金利4%でその範囲にあれば健全です。
また、(純賃料)-(ローン返済額)について毎月プラスであることが当然健全です。

 

 

〈事例〉ワンルームのフルローンがダメな理由

会社員への新築ワンルーム投資が問題となるのは、以下のような場合です。

 

マンション価格2500万円、全額を借入(フルローン、金利2%、30年)
家賃純賃料8万円、ローン返済9万円、毎月のCFマイナス1万円
(年間ローン返済額)÷(年間純賃料)=(9万×12月)÷(8万×12月)=112%

となり、完全にアウトです。

 

それでも、こんな融資が可能となるのは、年間純賃料にサラリーマンの給料を合算して考えるから、銀行は融資するケースがあるのです。
会社員を辞めて、不動産で不労所得を得たいなら、現金手取り収入に余裕がないとだめです。
将来の資産形成という場合、ローン返済の終わった30年後や本人が死亡して保険金が出た場合に、初めてプラスとなるのです。(但し、ローン返済途中でマンション価格の販売価格が高騰すれば、売却してプラスとなって総決算でプラスとなる可能性もなくはないのですが)

 

 

◆Ⅴ◆不動産投資の成績について

1)不動産投資の最終的な結果は「入口•中間•出口」の総決算で決まる。

①入口

不動産投資は、購入する入口の段階で、いかに戦略的に資金調達計画を立てるかが重要となってきます。購入する時に、キャッシュフローを楽にするために現金を投じます。ローンが多すぎると買うときは手元資金を温存できるのですが、保有期間中のローン返済がきつく、賃料の下落もあるので、だんだんキャッシュフローが薄くなっていまします。

 

②中間

保有期間の不動産事業の賃料収入をインカムゲインといいます。
これは、最初に自己資金を多く投じるほど、キャッシュフローは増えます。

 

③出口

一定期間保有したのちに、売却する場合を考えます。このとき、売却価格に対して、ローンがあといくら残っているかで、キャッシュが生まれます。これから販売仲介手数料や、譲渡による譲渡益が発生した場合の譲渡課税を引きます。する最終的なキャッシュの手残りが確定します。と売却する場合にの手残りで回収できるのか。
 最初の入り口で自己資金を使うほど、中間のインカムゲインや、出口(売却時)のキャッシュも多くなります。また、売却の時期は、タイミングを見て市況が有利な時に売却すればよいのです。急ぐ必要はありません。

 

2)実例

 

事業収支の総決算についてご理解いただくため、私の不動産投資の例を挙げます。入口から出口までの概算です。

 

①入口

購入時9000万円(土地価格5000万円、建物および諸経費4000万円)

(資金調達は、自己資金1500万円、ローン7500万円(30年、3.5%))
木造3階建て18室、2008年土地を購入し、翌年アパート1棟新築。

 

②中間

家賃収入4万円×18戸=72万円、諸費用8万円 ▲ローン返済34万円
=キャッシュフロー30万円(金利3.5%)

純賃料72万円―8万円=64万円 ▲ローン返済34万円
→返済比率53%、(金利2%なら43%)

今回保有期間 実質約7年×12月×30万円=2520万円

 

③出口

売却価格   9000万円
売却時の簿価 7500万円(利益1500万円)
売却時:売却価格9000万円ーローン残債6300万円-仲介手数料300万円ー譲渡課税(長期譲渡の場合の税率20%)300万円 =2100万円

 

④ まとめ

使った自己資金1500万円が(保有期間のキャッシュ2520万円+売却時のキャシュ2100万円=)4620万円となった。

(つまり自己投資額1500万円×3.08倍)

 

3)解説

① 入口

購入時、自己資金1500万円を投じています。

(自己資金1500万÷総額9000万円=自己資金比率17%)

 

② 中間

家賃収入が実質7年間として2520万円です。

 

③ 出口

売れる価格が購入時と同じ金額でした。周りの市況が良いので買い手がついたということかと思います。ローンの残債の差額がまず現金として入ります。これに売却仲介手数料を支払います。さらに、売却益(売却9000万円ー簿価7500万円=1500万円)に対して、保有期間5年以上の長期譲渡課税率20%を乗じて約300万円。

出口の際のキャッシュインは、2100万円でした。

 

④ まとめ

入り口で自己資金1500万円を投じたことによって、中間保有と出口の総決算で3倍にになって戻ってきたことになります。これは、売却した際の手残りのシミュレーションを常にしておいて、タイミングを見て売却を図りました。

 

 

◆Ⅵ◆まとめ

日本人の特徴として、不動産リテラシーが低く、教えてもらう教育システムがありません。お金と不動産の専門家も整備されていません。

しかしながら、日本の不動産は国際的にみても魅力があり、昨今の相続税対策の過熱の影響もあって、需要が活発です。銀行も日銀のゼロ金利政策のプレッシャーで、企業ではなく、不動産業に多く融資してきました。
そして、このような経済政策の結果、もう、銀行の積極姿勢が終わるのは時間の問題です。

 

でも、大丈夫です。安心してください!
どんなに市況が変化しようが、不動産投資の唯一の指標は「キャッシュフロー」です。そしてその事業の最終的な結果は、購入から売却までの収支の総合計で測ることができます。

このような市場に左右されない、基本をしっかり押さえることによって、『不動産投資』を個人の金目当ての『不動産投機』ではなく、地に足の着いた公共性のある『不動産事業』として維持発展できるよう、一助となりたいと願っています。

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